Trolley.Net Blog

http://blog.trolley.net/

東京と・・・日本の高等教育機関

東京五輪の開催が決まり,今後ますます東京への資源集中が加速されることになるが,リスク管理の観点から望ましくない。東京直下型地震にせよ,東海地震にせよ,今後数十年の間に関東平野が大規模地震に襲われることは避けられないし,「国土強靭化」を名目とするインフラ投資で防げることには限界がある。

北米東部や北欧のように地震が殆ど無い地域なら,資源集中により全体のパイを大きくすることは,適切な分配システムが伴う限り効率的だが,集中投資された地域が壊滅すれば,投じられた資源の相当部分が滅失し,財政的にも復旧は困難を極める。従って長期的視点からは,国土計画上,適切な分散化を図ることが必要である。

明治以来,政府にとっての分散は「東京+どこか」というスタンスが貫かれている。たとえば明治期の官立高等教育機関について,種別ごとに最初に設置されたものと2番目に設置されたものを列挙すると以下のようである。

  • 帝国大学:東京(1886→東京大),京都(1897→京都大),次は東北(1907→東北大)
  • 高等師範:東京(1886→筑波大),広島(1902→広島大),次は金沢(1944→金沢大)
  • 女子高等師範:東京(1890→お茶大),奈良(1908→奈良女)
  • 高等商業:東京(1887→一橋大),神戸(1902→神戸大)
     ※官立以前に大阪府立(1885→大阪市大)が設立
  • 高等工業:東京(1901→東京工大),大阪(1901→大阪大),京都工芸(1902→工繊大)
     ※高等工業学校成立以前に,三高(1894)と五高(1897)に工学部を設置
  • 高等商船:東京(1882→東京海洋大),神戸(1920→神戸大)
  • 外国語:東京(1899→東京外大),大阪(1921→大阪大)

    全ての種別について初めに東京に設置し,次にもう1ヶ所どこかに設置するという方針は明白だが,音楽学校・美術学校(東京芸大)のように,唯一のものは当然の如く東京に設置された。2ヶ所目は関西圏が殆どだが,元々京都・大阪・神戸の多極型都市圏であるため,関西圏内での分散配置の結果,高等教育でも東京の圧倒的優位は揺らがなかった。
    スポンサーサイト
  • コメント

    コメントの投稿


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    トラックバックURLはこちら
    http://trolley.blog78.fc2.com/tb.php/185-675ae7fe
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    FC2Ad