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スーパーグローバル大学

文科省は9月26日,「スーパーグローバル大学」37校を発表した。その内訳は以下の通り。

【トップ型】(13校) 北海道▽東北▽筑波▽東京▽東京医科歯科▽東京工業▽名古屋▽京都▽大阪▽広島▽九州▽慶応義塾▽早稲田

【グローバル化牽引型】(24校) 千葉▽東京外国語▽東京芸術▽長岡技術科学▽金沢▽豊橋技術科学▽京都工芸繊維▽奈良先端科学技術大学院▽岡山▽熊本▽国際教養▽会津▽国際基督教▽芝浦工業▽上智▽東洋▽法政▽明治▽立教▽創価▽国際▽立命館▽関西学院▽立命館アジア太平洋

「トップ型」とされた13校の顔ぶれは,旧帝7大学に筑波・東工大・早慶を加えたいわゆる「RU11」に医科歯科と広島を加えたもので,驚くに値しない。このうち広島は下の記事にもあるように,旧高等師範でいわば筑波と同格とされる大学であり,ほぼ現状追認と言える。

文科省的には,旧帝大に続く旧六グループがある。旧制時代に医科大学が設置されていた,千葉・新潟・金沢・岡山・熊本・長崎の六大学で,このうち「牽引型」には4校が含まれている。技科大は国立の2校とも選出,先端大は2校中奈良が選出されている。公立大では,首大や大阪市大のような伝統校は含まれず,会津・国際教養のような新しいコンセプトに基づく大学のみが選出されている点に特徴がある。

しかし「THEランキング100位以内に10校!」を自己目的化することに,教育・研究上の理念は感じられないし,ランキングは本来結果であって,目的であるべきではない。一方で研究には,予算的・時間的余裕が必須であるが,日本のGDPに対する高等教育への公的負担率は0.5%に過ぎず,OECD34ヶ国中最下位で平均値1.0%の半分に過ぎない。(13表; データは2008年) 圧倒的な兵站不足に対して精神論で立ち向かえという指示なら,何やら先の大戦から進歩が無いように聞こえる。

2006年11月,足立区が公立学校の予算を学力テストの成績の変化分に連動させる方針を発表したことは各方面の批判を浴び,1年足らずで撤回に至った。成績が伸びれば予算を厚くすることが教員へのインセンティブになると考えたのだろうが,これでは格差が固定化・拡大するだけで,公教育全体の底上げには繋がらない。文科省予算に上限がある以上,特定大学に予算を厚くすることは,他の大学の予算を薄くすることであり,日本の高等教育全体の底上げには繋がらないことに留意すべきだろう。
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