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U.S. Code Title 49

日本の敬老乗車証の類が,自治体市民限定の制度であるのに対し,米国の制度は広く全高齢者(外国人を含む)を対象にしている。その根拠となるのが,合衆国法典49編(交通)の5307項であり,連邦政府から補助を受けている公共交通機関は,
 高齢者(65歳以上),Medicareカードを交付されている身体障碍者等,
に対するオフピーク時間帯の運賃を,ピーク時間帯の普通運賃の50%以下に設定するよう義務付けている。注意すべきことは,多民族国家ゆえか,高齢者に関して国籍に基づく限定がないことである。

実際の適用には多少のバラつきがある。例えばNew York MTAでは,地下鉄・一般バスに関しては終日半額運賃が適用されるが,通勤列車と急行バスについては,平日のピーク時間帯は除外されている。Chicago CTAでは,L(高架鉄道),バスともに基本的に半額だが,O'Hare空港発着の場合の普通運賃$5.00は,通常運賃の半額$1.10に据え置かれる。加えてイリノイ州民については,所得に応じて運賃が無料になるプログラム(Aging Benefit Access Program)も存在する。San Francisco MUNIの場合,現金運賃は半額($1.25/$2.50)だが,カード運賃ではそれ以上($1.00/$2.25)の割引となる。ただしケーブルカーに関しては,割引は21時~07時という,観光客が居そうもない時間帯にしか適用されない。

かつては単なる旅行者でも,パスポート提示で割引を利用できたが,交通系ICカードの導入が進んだことにより,事前に割引用ICカードの交付が必要となる都市が増えてきている。ただ制度的には,ICカードは国外からネット申し込み可能な場合が多いため,旅行者が完全に排除される訳ではない。また現地に滞在して,交通機関を利用する場合には,外国人でも利用可能である。ただしChicagoのように無料になる制度の場合は,さすがに住民であることが要求されるが,その範囲はChicago市民に限定されず,イリノイ州民に拡大されている。Chicago MSAは,周辺自治体を含んで一体的に機能するので当然に思えるが,日本では東京都を除いて極めて偏狭な制度になっていて,これが公共交通の利用を阻害する側面もあると考えられる。
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